第103回 看護師国家試験 午前 問118 解説
📝 問題
次の文を読み118〜120の問いに答えよ。Aさん(65歳、男性)は、大動脈弁狭窄症で大動脈弁置換術が実施された。術後2日、Aさんは集中治療室に入室中である。Aさんは中心静脈ライン、心囊・縦隔ドレーン、胸腔ドレーン、動脈ライン、3本の末梢静脈ライン、膀胱留置カテーテルが挿入されている。Aさんの意識は清明で、呼吸状態、循環動態は安定しているが、挿入されているライン類を気にする様子がみられる。 ライン類の抜去事故を予防するための看護師の対応として最も適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 抜けるライン類がないかを医師に相談し、本数そのものを減らす。
Aさんは意識が清明で、呼吸も循環も安定している。それでも多くのライン類が入っていれば動きにくく、気になって手が伸びる。 事故抜去を防ぐいちばん確かな方法は、要らないラインを抜くことである。呼吸と循環が安定した術後2日は、動脈ラインや複数の末梢静脈ラインを減らせるか医師と検討する場面にあたる。
他の3つは、Aさんの自由をさらに奪う。 上肢のシーネ固定は身体拘束にあたる。 1時間ごとの観察では、その間に起こる抜去を防げない。 鎮静薬は意識のはっきりしている人に使うものではない。
- 1
ラインを挿入している上肢をシーネで固定する。不正解
シーネで上肢を固定するのは身体拘束にあたる。ほかに方法がないときの最後の手段で、意識が清明なAさんには行わない。
- 2
抜去できるラインはないか医師に相談する。正解
ライン類の本数が減れば、絡まりや引っかかりも減る。状態が安定した時期は、抜去できるものを医師と検討する。
- 3
1時間毎にAさんの状態を観察する。不正解
1時間ごとの観察は状態の把握には役立つが、見ていない間に起こる抜去は防げない。
- 4
鎮静薬を使用する。不正解
鎮静薬は意識をぼんやりさせる薬で、かえってせん妄や転倒を招く。意識が清明なAさんには使わない。
📚 国試でよく狙われるところ
身体拘束は、行ってよい条件が問われる。3つの条件がそろったときだけ、と覚えよう。
- 切迫性=そのままでは生命や身体が危険にさらされる
- 非代替性=ほかに代わる方法がない
- 一時性=行うのは必要な時間だけにとどめる
- 3つがそろった場合も、理由と時間を記録し、本人や家族に説明する
参考: 医療安全とライン・ドレーンの管理(看護の統合と実践)/厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について